HOME Myanmarのツアー作り ~実践編~

2020年04月04日
 

 

こんにちは。

シャン州インレー湖を拠点に活動している少し変わった旅行会社、HOME Myanmarです。

 

さて、前回はHOME Myanmarのツアーがどんなことを考えて作られているか、なんてことをご紹介させていただきました。

HOME Myanmarのツアー作り ~想い編~

 

 

今回は、実際にどのようにしてツアーを作っているか、そんなお話をさせていただきたいと思います。

 

HOME Myanmarのツアー作り~実践編~ です!

 

① アンテナは常にビンビン

② 視察、そして関係構築

③ クオリティコントロール

④ 季節性の考慮

 

では、細かく解説していきます。

 

① アンテナは常にビンビン

これは、ツアーを作る前段階の話ですね。でも、一番大切なこと。

 

日々の生活、見える景気、何気ない会話の中でも、よくツアーのことを考えています

 

これツアーにできるんじゃないか

ここ●月に来たらめちゃくちゃ綺麗な景色見れるかも

これ美味しい。ツアーのときも出してもらえるかな

あそこの山の上、仏塔があるってことは登れるのかな

などなど。

 

365日仕事のことを考えていて可哀そう、とも言えますし、365日遊んでいて最高、とも言えますね。

どこに行ってもそういう目線で見てしまうのは、もう職業病です。

 

現地の人は、“ただの日常じゃないか” と思っていることが、意外と外国人には楽しいこともあります。

そういった要素を拾い上げられるように、アンテナは常にビンビンにしています。

 
② 視察、そして関係構築

この関係構築の仕方がHOME Myanmarのツアーの一番変わっているところであり、作る側としては一番楽しいところかなと思っています。

 

民家でお昼ご飯をいただくツアーに参加いただいたお客様から

 

「どうやってこういう村の人と繋がったの?」

 

とご質問いただくことがあります。

 

いろんなきっかけがありますが、誰かにご紹介いただくか、飛び込み、です。

 

例えば、HOME Myanmarの代表的なツアーと言ってもいい

チェーポーコン村訪問!インレー湖満喫オリジナルツアー」では

One-of-a-kind-experience! Inle Lake Original 1 Day Tour / チェーポーコン村訪問!インレー湖満喫オリジナルツアー

 

認定NPO法人地球市民の会さんからお声がけいただき、一緒にツアーを作らせていただくこととなりました

 

このツアーでは、インデイン遺跡から車で5分くらいのチェーポーコン村に訪問しています。

インレー湖にある村、といってもいいくらいの位置にあるものの、ボートで村までアクセスできないからか、観光業は私たちとは無縁、と村の方々は感じられているようでした。

 

主に農業を営み、ライスクラッカーや竹笠を作って暮らしてる村の方々。

「村の方々はものすごく温かい人たちだから、ツアーで訪問したらきっと楽しいはず。そして村に少し現金収入が落ちる、というような仕組みは作れないかな」ということで、一緒にツアーを作っていきました。

 

ご参加いただいたお客様から

 

今までのツアーで一番心が優しくなるツアーでした

 

とフィードバックいただいたこともあります。そんなツアー、なかなかありませんよね。嬉しい!

 

このように、知人の方から村の人を紹介いただき、ツアーを作っていくこともあります。

 

 

もう一つが、飛び込み、です。

 

その名の通り、民家に飛び込んで行って、何回も通って関係を作っていきます

 

例えば、滅多に観光客が行かないエリア、ヘーホーからニャウンシュエの間の山を歩く

「ヘーホー空港発!タウンヨー族の暮らしに触れる1日トレッキング」では

Heho – Nyaung Shwe 1 Day Trekking / ヘーホー空港発!タウンヨー族の暮らしに触れる1日トレッキング

 

インレー湖、ニャウンシュエの西側の山でトレッキングでやってる旅行会社はないし

東側の山より標高が少し低いから山頂が雲に隠れること少ないよね。つまり、割と年中見晴らしがいいんじゃないかな。

 

そんな観点から、視察に行くことになりました。

 

トレッキングの視察では、ルートの確認やお客様にとってどんな体験が嬉しいだろうか、そんなことを見て回ります。

そして何より、ツアーの中でもとても大切な、食事場所の確認です。

 

レストランなんてないエリアを歩くので、お弁当を持参するか、民家でご飯をいただくしかないのですが

シャン州はどこの村、民家でご飯を食べても、これがまた美味しいんです

 

ということで視察のときも、どのお家がいいかなぁ、とキョロキョロしすぎないように村を散策。

完全に怪しいやつらです。

 

ふらっと入った民家で、雑談。

雑談しながらも、このお家綺麗だな、趣あるな、と家の中を眺めます。

はい、完全に怪しいやつらです。

 

よし、ツアーではここでご飯が食べたい!

 

となったら、実は私たち旅行会社なんです、と素性を明かし、ツアーの相談をします。

 

村の皆さんは本当に優しいので、ツアーで訪問することも、昼食を用意してくれることも、いつも快諾してくれます。

それでも、100%いつも通りの食事をご用意いただくと、やはりミスマッチが起こることもあります。

 

なるべく村で採れる食材で、普段村の方が食べられているようなお食事の中でも少し豪華な内容で、でも、無理してお肉はご用意いただかなくて大丈夫ですよ、辛さは控えめでお願いします、などなど

 

こちらの希望を伝えて、お支払いする料金も話し合います。

そしてまた訪問し実際に昼食をいただき、改善していきます。

頑張って用意しすぎてくれることが多く、いつも申し訳ないです。

 

そんなことを繰り返し、飛び込みから関係を作っていきます。

 

あ、ツアー作りのための関係構築においても、実際のツアーにおいてもですが

HOME Myanmarのツアーでは、なるべく少数民族の言語が話せるガイドが同行するようにしています。

 

上述のトレッキングでは、タウンヨー族のエリアを歩くので、タウンヨー語が話せるスタッフと一緒に視察を重ねました。

もちろんミャンマー語も通じますが、少数民族の言葉を話せると関係構築がとてもスムーズのように感じます。

 
③ クオリティコントロール

スムーズにいけば、1,2回の視察で、ツアーの枠組みは決まります。

 

そこからは、ガイドさんがどこで何を話すか、どうツアーを進行するかを決めていきます。

より具体化していくために、そしてそのツアーをよりよいクオリティでお届けするために、2つやることがあります。

 

1つは、HOME Myanmarのツアーでは、各ツアーごとにスクリプトを作っています

オリジナルな内容でおこなっているので、ここらへんは記録しておかないといけません。

でも、ガイドさん一人一人の個性やお客さんのリアクションも大切にしているので、一言一句スクリプト通りにご案内する、ということはありません。

 

もう1つは、ガイドトレーニングです。

一緒にツアーを作ったスタッフ(ガイド兼)が、他のスタッフやフリーランスのガイドさんを招き、実際にコースを回り覚えてもらいます

視察で行って楽しくても、ツアーでお客様をお連れし、楽しんでいただくのはまた別です。

ツアーでお客様を案内するガイドさんが行動できるように落とし込んでいく作業もとても大切です。

 

④ 季節性の考慮

最後にもう一つ、考慮すべきことがありました。

 

季節性です。

 

シャン州という自然豊かな土地を舞台に、そこに住む村の方々の暮らしを届けるツアーを作っているので、季節によって見れるもの、体験できることなどが変わってきます

 

良くも悪くも、そういった要素をどううまくツアーに組み込めるか、もしくはこの季節はダメだ、といったことをリストアップしていきます。

 

最近少しずつ力を入れようとしている「Harvest Tour」なんかは

その最たるものですね。

 

ということで、こんなサイクルを経て、ツアーができあがっております。

オリジナルなツアーを作るって、意外と手間がかかっているんです。

 

そんなことを感じていただけたら幸いです。

私も言語化して、手間がかかっているなと改めて感じました。

それでは

04/04/2020